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Education Vanguards Interview 加藤 一葉(かとう・かずは)

自己を客観的に見つめる視線、常に新しきに挑戦するバイタリティ

使う人・見る人の認識プロセスやコミュニケーション方法、思考などを分析し、それらに配慮することで情報を分かりやすく伝えるのが、情報デザイン。自分がどこに所属していても、周囲に完全に染まってしまうのではなく、常に外部から観察する視点を持つよう心がけているという加藤一葉先生。自らも調査対象とすることがある研究についてや、将来情報デザイン分野の担い手となる学生たちの発想力を伸ばす教育方法を、どのように工夫されているのか伺いました。

執筆/藤本りお(有限会社アリカ)

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加藤 一葉(かとう・かずは)

甲南女子大学 文学部メディア表現学科 講師

甲南女子大学文学部国文学科卒業。その後、宝石の専門学校を卒業し、デザイン会社、アパレル会社に勤務の後、多摩美術大学大学院美術研究科修了。産業技術総合研究所勤務を経て現職。論文に2005年「イベント空間情報支援プロジェクトにおける情報デザインの試み」、2005年「認知・知的障害者のための絵文字によるコニュニケーションツールの開発」など。

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デザインに興味を抱いた背景

神戸の街と海を見渡す高台に建つ、甲南女子大学。加藤一葉先生は自らの母校でもあるこの大学で、2006年のメディア表現学科立ち上げの中心となり、その後も専任講師としてデザイン教育に携わっています。学生たちは写真や映画、アニメーション、CG、演劇といった、メディアに関わるあらゆる知識と実践を学びます。情報デザインを、自らの経験を生かしたユニークな実技を通して教える加藤先生。でも実は、在学当時の専攻は国文学だったそうです。デザインとはまったく畑違いのように思えますが、学校中に絵画が飾られていたり、一般教養の授業で裸婦のデッサンがあったりと、教養や情操教育に重きをおいた甲南女子大学の教育方針による環境にも、デザインにつながるベースがあったのかもしれません。

神戸を見下ろす景色は絶景。ここまでの眺めは、神戸の近隣大学でもないとか

華やかなファッションの女子学生たちが通うなか、学生だった加藤先生は、他校の仲間たちと設立したラクロス部で熱心に活動。早朝からの練習で昼間はいつも眠く、授業をさぼって校内の芝生で昼寝をするような、ちょっと異色の存在だったと振り返り、自らを「アウトサイダー」だと笑います。

「卒業後、宝石関係の専門学校に行ったんです。その後、宝石の知識がある人が欲しいということで、就職したのがデザイン会社。そこはデザインと言っても店舗設計まで手がける会社で、訳も分からずヘルメットをかぶって現場に行っていました(笑)。それから、アパレル会社に。そうこうするうちに、自分はデザインに興味があるのかも、と思い始めて……」

そこで相談したのが大学時代の恩師・上田信行先生だったそうです。「それがデザインに関係することなのかも分からないまま、どのように作られているかなどの商品情報をどうやったら購買者に提供できるのかについて勉強したいとお話ししました。そうしたら、上田先生は『それは情報デザインです!』ときっぱりおっしゃいました。すぐに須永剛司先生を紹介していただき、多摩美術大学に研究生で入学することに。その後、大学院へ進み、人が商品を購入する際の思考をモデルで可視化して『購買活動支援のための情報空間の表現と設計』というテーマで修士論文を書きました。とにかく論文を書きなさいと言われて必死で論文を書き続けているうちに、須永先生に産総研(産業技術総合研究所)を勧められたんです」。まわりの先生方に引っ張られてどんどん先へ進んでいく。お話を聞いていると、そんなつながりや道ができていくのも、加藤先生の行動力やほがらかな性格のたまものという印象を受けました。

「デザイナー・イン・レジデンス・フォー・
リサーチ」を体験

「90年代に、アーティスト・イン・レジデンス・フォー・リサーチといって、企業の研究開発の際、プログラマーやエンジニアのなかにアーティストやデザイナーが入って実験的なプロジェクトを行う流れがあったんです。最初はそのデザイナーバージョンを検証するために私が呼ばれたと聞いていました。モノを作る際には、研究者と現場の間に入って通訳ができる立場の人間が必要となります。デザイナーならそれができる、と」

「ところが、私が産総研に呼ばれたもう一つの理由があったんです。知識生産の現場、つまり研究活動のなかにデザイナーが参加すれば、モノを作ること以外にもその創造性が転用できるのではないかという仮説があって、それを検証するためだったんですね。最初はそんなこととはつゆ知らず、社会学の研究チームに入って自分の研究を進めていると思っていたんですが、実は自分自身が研究対象だったということに途中で気付いて。ショックでしたね(笑)」

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