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2007年4月、J検は従来の“情報処理技術”と“情報利活用”を評価する『情報処理活用能力検定』から、情報を発信する能力を評価する「情報デザイン試験」を新設して、『情報検定』へと再編されました。そこで、J検を実施している専修学校教育振興会事業部事業課の八ツ田亮課長に、「情報デザイン試験」新設の経緯とその狙いについてお話をうかがいました。

執筆/秋山 謙一(イメージアイ)

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八ツ田亮(やつだ・まこと)

専修学校教育振興会
事業部事業課 課長

連絡先:
財団法人 専修学校教育振興会
検定試験に関する連絡は以下検定試験センターまで
Tel. 03-5275-6336
Fax. 03-5275-6969

伝える能力を評価する「情報デザイン試験」を新設

専修学校教育振興会は、能力評価を行う検定事業のほか、教員向けの研修事業や、調査・研究事業、教員認定、教職員・学生表彰、保険事業など、専修学校等の質的向上を図るための事業を行っています。検定事業のなかで情報処理技術と情報処理活用能力を評価するための「情報処理活用能力検定」が2006年12月に見直され、情報処理技術と情報利活用、コミュニケーション能力を評価する「情報検定(J検)」へと変わりました。それまでの1級・2級が「情報システム試験」へ、準2級・3級が「情報活用試験」1級・2級へと変更になったほか、新たに情報収集・分析力、発想・企画力、編集・表現力といったコミュニケーション能力を評価する「情報デザイン試験」が追加され、「ICT」能力全般を評価する検定へ生まれ変わりました。

「情報処理活用能力検定は1988年(昭和63年)に汎用コンピューターを操作するプログラマーやSE(システムエンジニア)を養成する専修学校を対象に誕生しました。当時は実務者向けの国家試験「情報処理技術者試験」も行われていましたが、これは難易度が高く、学生にとっては合格することがとても難しかったのです。さらに、当時は各コンピューター会社がそれぞれの仕様で作ったコンピューターを、各社のマニュアルに基づいて操作していました。そのため学校教育として、より汎用性を持たせ情報処理の指針として学ぶことができる教育が求められていました。情報処理活用能力検定はこうした学校教育のニーズから生まれました。」

その後、WindowsやMac OSが登場したことで、PCが急激に普及し始め、汎用コンピューターだけでなくPCを扱う人向けにも試験領域を広げていきました。技術者養成のファーストステップであるほか、ユーザーの立場からPCを扱うのに必要な知識・能力を評価する要素を加えました。その結果専門学校生だけではなく、情報を取り扱う小学生から社会人までをカバーする文部科学省の技能審査として認定を受け、現在に至りました。

しかしながら、PCユーザーの裾野が広がるにつれ、上位級はSE・プログラマー養成に特化していたことから、試験制度自体に矛盾が生じ、改定を行う必要が生じてきたと言います。

「専修学校教育振興会としては、SE・プログラマーのための技術者養成教育と、PCの扱いや情報の取り扱いをするための教育は似て非なるものと見ていたのですが、文部科学省の技能審査として1つの体系に入れるという方針があり、検定を分けることはできませんでした。こうして1つの制度の中に2つの異なるベクトルを評価するという矛盾を抱えながら10数年実施してきたのですが、2006年に文部科学省の規制緩和とともに、試験を分けるに至りました。」

試験制度の変更は、単にソフトウェアの操作スキルの育成ではなく、本試験発足の理念である学校情報教育の視点でなされたと八ツ田氏は言います。これは、各教育機関のカリキュラムが情報化の進展により、多様化していることも背景にあるようです。

「専門学校をはじめ各教育機関の関係者や情報系企業の人たちと、制度改定の議論を行う中で、これまでの技術者向けとユーザー向けに試験を切り分けるだけでは何かが足りないのでは、という疑問めいたモノが膨らんできました。インターネット技術がここまで普及する時代で、これまでのようにシステム開発や情報活用だけの試験でよいのか。情報教育のプロセスである、「創る」こと、「使う」ことのほか、出口部分にあたる「伝える」こと、つまり、“情報を発信する能力”を問うべきではないのかと。情報を取り扱うすべての人がいかに相手に“分かりやすく”伝えること-情報をデザイン(設計)できるかが教育的にも最も重要であり、かつ必要不可欠な能力ではないかと結論づけました。それまでの情報教育に足りないものが、情報デザインという部分だったのです。」

このような過程を経て、新たに「情報デザイン試験」が新設され、情報処理活用能力検定は「情報システム試験」と「情報活用試験」へと生まれ変わり、この3つの試験を総合して新しい「情報検定」として2006年12月にスタートを切りました。

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